室内《クロス》
現象1 クロスの継ぎ目に隙間が開いてきた。端が剥がれてきた
なぜこうなるの?(原因)
経年変化により、クロスが縮んだり、下地の木が湿気や乾燥で伸縮する事でクロスも引張られて継ぎ目が開き、隙間が生じてしまうことがあります。
メンテナンスをしないとこうなる(劣化が進行した場合)
継ぎ目や端の剥がれをそのままにしておくと、剥がれた状態で癖が付き、元に戻らなくなります。このようになると、クロスの貼替えが必要となります
メンテナンスの方法
❶クロスの隙間をすきまシールにて充填する。
❷はがれた部分は紙が硬くなっているので、ドライヤーなどで柔らかくして、クロスのりで貼り付けます。
現象2 クロスの表面にしみや変色が目立つようになってきた
なぜこうなるの?(原因)
結露水や水跳ねなどによる濡れを繰り返すと表面が変色してきます。スイッチ周りなどは手垢で汚れが目立ちます。また、5年くらいすると、表面が色やけをおこします。
メンテナンスをしないとこうなる(劣化が進行した場合)
特に台所などでは、油煙が全体的に汚れとしてこびり付いて、表面をクリーニングしてもまだらになってしまいます。こうなると貼替えが必要です
メンテナンスの方法
汚れは水または中性洗剤の薄め液をスポンジなどに浸してよく、絞り、こすらずに軽くたたいて落とします。表面が凹凸のクロス(エンボス)には、歯ブラシが効果的です。凹凸をつぶさないようにしましょう。10年くらいしたらクロスの模様替えも検討しましょう。
よくある質問
Q1 クロスの日頃のお手入れは?
A1
天井や壁には、ホコリが付きます。そのままにしておくと、黄ばみや黒ずみが発生し、汚れが落ちにくくなります。日頃は、はたきでホコリを落とします。ポリプロピレン製のポリバタキにて静電気でホコリを吸着する方法が効果的です。月に1度はポリバタキをかけてください。ビニール製のクロスはよく絞った布などで水ぶきや中性洗剤でふき掃除をします。
Q2 タバコのヤニ汚れやカビ汚れは落とせますか?
A2
タバコのヤニは中性洗剤で落とせますが、時間が経過した重度のヤニ汚れは、壁全体が黄ばみクロスの中にヤニがしみ込み、なかなか落とすことはできません。また、カビ汚れはカビ取り剤を付けて、しばらく置いて水ぶきしておけば汚れを取ることができます。
豆知識
一般的にクロスの廃番後のメンテナンス部材はメーカー在庫1~2年です
クロスの材料在庫は廃番から1~2年程度になります。クロスメーカーでは長期間在庫を持つことができないため、保証期間内でも材料を供給することができない場合があります。その場合は部屋一面の貼替えとなります。また、材料が供給される場合でも数年経過すると、色焼けなどで部分貼替えをしても色違いが発生するため、壁一面または部屋一面の貼替えが必要です。
ジョイントコークの多用はやめましょう
ジョイントコークは本来、回縁や巾木などクロスと他部材の見切り部分にクロス施工前に、あらかじめ施工するものです。完成後に隙間隠しに多用する場合はデメリットも考えなければいけません。とくに巾木とクロスの隙間に打設すると、べたついている部分にゴミやホコリがついて、汚れが目立ったり、経年で黄変し、ジョイントコークが目立つようになります。
クロスの切り貼り補修はやめましょう
クロスの部分補修で、補修部分を四角にカットして新しいクロスを貼る補修はやめましょう。補修当初はきれいに
直ったように見えますが、徐々につなぎ目が目立ち黒ずんできます。