屋根《シート防水》
現象1 防水シートのジョイント部の剥がれ
なぜこうなるの?(原因)
紫外線、雨、風、寒冷など自然環境の変化の繰り返しによりシート接着面の強度が低下し、剥がれが生じます。
メンテナンスを必要とする判断基準
防水シート接合面の剥がれの有無を目視とヘラで触手確認し、剥がれがあれば補修が必要です。
メンテナンスをしないとこうなる(劣化が進行した場合)
メンテナンスの方法
異常がない場合はその劣化状態を経過観察します。
異常がある場合は部分的な増し張りまたは張替えを行います。広範囲にわたる場合には全面の増し張りまたは張替えを行います。
現象2 押さえ金物と取り合い部(他部材など)のシーリングの剥がれ、隙間、材料の収縮など
なぜこうなるの?(原因)
紫外線、雨、風、寒冷など自然環境の変化の繰り返しによりシーリングが硬化・収縮し、剥がれ、隙間、材料の収縮が生じます。
メンテナンスを必要とする判断基準
防水シートと外壁やサッシの取り合い部のシーリングの剥離状態を目視やヘラで触手確認し、剥離などがあれば補修が必要です。
早めのメンテナンスが必要です
- 構造体に影響が出ます。
- 修理費の負担がかさみます。
- 雨漏りが発生して、補修費用がかかります。また、放置すると屋根の下地材が腐食します。適切な時期にメンテナンスを行わなければ、補修のために多額の費用がかかる場合があります。
メンテナンスの方法
シーリングを打ち替えます。
現象3 防水シートの浮き、膨れ、シワなど
なぜこうなるの?(原因)
紫外線、雨、風、寒冷など自然環境の変化の繰り返しによりシートが収縮し、接着密度が低下した部分に浮き、膨れ、シワが生じます。
メンテナンスを必要とする判断基準
防水シート平面部を目視確認して膨れの有無を確認し、膨れがあれば補修が必要です。
シート防水剤の劣化のフロー
メンテナンスの方法
異常がない場合は劣化状態を経過観察します。
異常がある場合は部分的な増し張りまたは張替えを行います。広範囲にわたる場合には全面の増し張りまたは張替えを行います。
よくある質問
Q1 シート防水(ドレン・金具など)日常のお手入れ方法について
A1
バルコニーは外部ですので、ホコリも多く、汚れがちです。日頃のお掃除と防水のチェックを行いましょう。
防水シート表面の清掃は、ナイロン製のデッキブラシで、中性洗剤を使用して、水洗いを実施してください。金属製のデッキブラシを用いると損傷を与える可能性がありますので使用しないでください。
床や排水溝にゴミや木の葉がたまっていると、排水口が詰まる原因となります。とくに、大雨の時など、雨水がたまって室内に雨水が浸入するおそれもあります。
床にたまった砂は防水面にキズを付ける原因になります。
砂やホコリはこまめに取り除きましょう。
Q2 日頃から点検する部位とは?【個所】
A2
①ドレイン周辺のごみ清掃(とくに落葉期、降雪前)。
②固定金具の破損、ビスのはずれなどの確認。
Q3 補修・改修の目安は?
A3
全面改修は以下の2点を目安とします。
①築10年以上の建物
②不具合個所の総延長、または合計が全面積の2割程度を超えた場合。
これ以外の場合は、部分補修で対応することが一般的です。
Q4 太陽光パネルを置いても大丈夫か?
A4
防水材と一体化できる専用設置部材があれば可能です。
(防水材により不可の場合もあります。)
※また重量の問題で構造計算も必要となりますから、建築した住宅メーカーに必ずご連絡ください。
Q5 キズつけた場合の応急処置は?
A5
防水シート表面のキズや穴に対する処置は、周辺の汚れを洗浄し、ガムテープや、アルミテープ(キッチンテープ)を張りつけます。たとえ小さな穴でも雨漏りの原因となりますので、とりあえず応急処置をし、住宅メーカーに連絡してください。また、キズが付いた場合でも、後々その部分から亀裂が発生するこがあるため、早めに補修を行うことが大切です。(シート上から増し張りを行う方法で補修します。)
豆知識
露出防水使用上の注意
■歩行、非歩行の機能適用を守ってご使用ください。
■ドレイン廻りのゴミは、必ず取り除いてください。オーバーフロー漏水の原因になります。
■合板などの木材、段ボール紙、脚立などのゴム、塗装された家具の塗料およびポリバケツなどを長期間放置すると、ルーフィングの表面が変色することがあります。
■防腐剤、防虫剤、洗剤などの薬剤、肥料によって汚染され、変色を招く可能性があります。
■シート防水の表面は、人の履物、歩行状態(早足か、大股かなど)や漏水、泥水、苔および砂の存在などの環境によって滑りやすくなります。ご注意ください。
■増改築、看板、手すり、アンテナ、冷暖房室外機、架台の取り付けをする場合、風による転倒などにより防水シート、または塗膜防水層にキズをつけないように配慮してください。また防水シート、塗膜防水部分に手を加えるときは住宅メーカーにご連絡ください。
■防水層は、保護されているものであっても、使用上の注意を怠ることで防水シートがキズついてしまう可能性があります。
下記例のような漏水の原因となる以下の行為はしないでください。
●スパイクシューズやハイヒール、雪靴など、突起物のある履き物で歩行すること。
●刃物でキズつけること。
●金属製デッキブラシなどでこすること。
●ゴルフの練習、ハンマー・スコップなどで強い衝撃を与えること。
●タバコのもみ消し、溶接火花で焼け焦げをつくること。
●重量物を引きずること。